Persona3小説 Sword. 旅立ち 忍者ブログ

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Sword. 旅立ち


 
 
我をくぐりて 汝らは入る 嘆きの町に
我をくぐりて 汝らは入る 永劫の苦患に
我をくぐりて 汝らは入る 滅びの民に


正義 高きにいます我が創造主を動かす


我を造りしは 聖なる力
いと高き智慧 また第一の愛
永遠のほか 我よりさきに造られしもの無し

我は永遠と共に立つ

一切の望みは捨てよ 我をくぐる者





I'll
Burn My Dread
Burn My Dread

音楽は...
歌はとても美しい嘘だと思う。

Burn My Dread
Burn My Dread

リフレインは急き立てる。
新しい場所に行かなきゃいけない、不安や諦めなど消してしまえと歌う。

正直言って...
(今度は何をされるのか。) そんな事ばかりが不安で。
(どんな怖ろしい人間たちがいるんだろう。) 落胆の暗さに頭がいっぱいで、何も眼に入らない。

常に離れたことの無い不安が食い込み、息苦しいまでに胸を締め付けている。
まだ見えない何かのために、何度も背に冷や汗が伝う。

俺の内心と同様に、外も嵐と雹が吹き荒れるべきだと呪いながら。
駅へ歩いた。

THERE’ NO MAN’S LAND NO MAN EVER SURVIVED
INVISIBLE HANDS’RE BEHINDS YOU JUST NOW
IF YOU EVER WIN THAT RACE AGAINST RAGE THEN
YOU’LL BE THE KING COZ IT’S NO MAN’S LAND, FOR REAL


もう三ヶ月が経ったのか。
一番怖ろしい義父さんが突然いなくなってから。

...まだ、信じることが出来ないでいる。
眼はあの人の居ない空白を見ていても、記憶はあの手に握られていて、
こうして歩いていても義父さんをずっと背負っている。
...不思議な感覚がする。

形ばかりの葬式のあとに連れて来られた、遠い親戚の家。
いまだに、両親との繋がりを把握できていない。
(そこまで離れてたら、既に他人じゃないだろうか。)
紹介されたとき、身の程知らずにそんなことを考えた。
心の中で。

一人暮らしだったおばさんは、親切な人だった。
俺のことに無関心という親切が、とても嬉しかった。
生活が大変らしく、きっと俺なんかに構う暇は無かったんだと思う。

THE MASK IN HEAVY RAIN ULTIMATELY SLAIN
MAKE SHADOWS SLAVE WHAT THEY DONE IS IN VEIN
CARRYING AK-FORTY-SEVEN TWENTY-FOUR*SEVEN BUT
YOU’VE GOT ELEVEN PERSECUTED BY HEAVEN


最初から、選択の余地などなかった。
月光館学園という名の高校から来た招待を、もう決まった事として話すあの人に
...俺が返せる言葉は、何も無かった。

ただ、うなずいた。

COMES FROM THE DIRECTION NO INDICATION
YOU’VE GOT TO TO LET IT MOVE FIRST
LET IT OUT, LET IT DOWN, LET IT INSIDE LET LOOSE
LETTING LETTING DAMN DEPRESSED LET’S GET UP

そのことに、少し安心している。
自分で決めずとも、こうして俺を押し流してくれるルール。

Burn My Dread


先生が握らせた口止めの金で買った
この小さな装置が、俺が選んだ“嘘”を繰り返している。

THEN WHICH GOTTE DO IS TO  DROP THE HAMMER DOWN
DROP RHYME DROP HAMMER DIGGING LIKE A LABOR
YOU’VE GOT BLOOD ALL OVER ASH ALL OVER
SPIT IT OUT SION GAME’S OVER


『恐怖を焼き尽くせ 』

――そんな不可能を命じるこの歌をエンドレスに流し、現実から耳を塞ぐ。

ずっと眠っていたあいだに、卒業式は過ぎ去っていた。
昨日は、高校の入学式だった。
らしい。

Burn My Dread

TEAR UP YOUR FEAR THE END IS COMING NEAR
SPIT IT OUT LILQQSRAR I’LL BURN YOUR DREAD

何も考えなくても、道は示される。
ただ眼の前の恐怖をやりすごせばいいだけ。

Burn My Dread

NO SOUL ROBUST ALL DUST WE BUST
JUSTICE TO THE MAN WITH NO LIFE

人生
(ライフ)
なんて言葉は嫌いだ。

振り返る価値のない過去。
夢から覚めて、生きたい道がみえない
現在(いま)...

こうして、終わりの海へ流されていく。
まやかしの河だけは俺を見捨てない。
そのことに安心している。

Burn My Dread
Burn My Dread

ヴォーカルは歌う。

不可視の御手が俺の背に迫る。
終わりは近い。

お前の恐怖を焼き尽くそう。

焼き尽くしてやろう。


東京。
頭狂。
凍今日。


何が起きようとも。
生きるか死ぬか。

命の死亡率は100%だ。

晴れの日か、雨の日か、
違いなど、それだけ。

それだけだ。



冒頭:ダンテ『神曲』地獄篇第三歌
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